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「闇金の借金を自己破産できるのか?」
「闇金の借金を自己破産するとどうなる?」
「闇金」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際にその闇金から借金をしてトラブルになっている方もたくさんいます。
闇金とは、違法な金利で貸付を行う貸金業者のことです。
法外な金利のため一度借りるとすぐに借金が膨らんでしまい、返済不能な状態になってしまうのです。
そのため、自己破産をしようとする方がいらっしゃるのですが、闇金からの借金を対象にするのは難しいでしょう。
しかし、司法書士・弁護士と相談して警察に事件として扱ってもらえれば、解決できる場合もあります。
ただし、警察が動いたとしても闇金の取り立て行為が必ずストップするわけではありませんので、注意が必要です。
したがって、とにかく闇金からは絶対に借金をしないのが得策といえます。
今回は、闇金からの借金を自己破産するとどうなるのかについて説明するとともに、自己破産以外のトラブル解決方法についても紹介します。
「闇金」といっても、どのような業者なのか漠然としたイメージしか持たない方も多いと思いますので、簡単に説明したいと思います。
闇金とは、出資法(1)の法定金利よりも高い金利で貸付を行う貸金業者や、貸金業法(2)によって義務付けられている「貸金業登録」をせずに貸金業を営む業者になります。
つまり、簡単に言うと、闇金は「違法にお金を貸す業者」といえるでしょう。
出資法(1):出資の受入れや預り金、金利などの取締りについての法律
貸金業法(2):クレジットカード会社・消費者金融・銀行などを規制する法律
出資法において、貸金業者が顧客に貸付を行う場合の上限金利は、「年利20%」と規定されています。
したがって、年利20%以上の金利で貸付を行った貸金業者は、刑事罰が科されることになるのです。
また、貸金業を営む場合には、貸金業としての登録が必須になっているため、無登録で営業を行っている貸金業者も刑事罰の対象になってきます。
つまり、闇金の存在自体が、そもそも違法というわけです。
ちなみに、闇金の金利には、TVドラマなどでも観られる「トイチ(10日で1割の利息が発生)」や「トゴ(5日で1割の利息が発生)」といった違法な金利が実際に存在します。
非常に高利率なため、闇金から借金をした方はかなりの確率で返済不能になってしまうでしょう。
では、闇金からの借金を、自己破産するとどうなるのか説明します。
自己破産とは、「破産」と「免責」という2つの手続きを行うことで、申立て人の財産を処分し借金をチャラにしてもらえる債務整理(借金問題を法的に解決するための手続き)」の一つです。
なお、破産とは「申立て人が保有する財産や資産を処分・換価(お金に換えること)することで、債権者(お金を貸したクレジットカード会社・消費者金融・銀行など)に配当する手続き」で、免責とは「裁判所に借金が返済不能な状態とみなされることで、借金を帳消しにしてもらえる手続き」となっています。
結論から言うと、闇金業者からの借金にはそもそも返済義務がないため、自己破産するまでもなく返済の必要はありません。
なぜなら、闇金からの借金は民法上「不法原因給付」と呼ばれる不法な原因によって給付された資金に該当するため、返還請求できないと定められているからです。
つまり、闇金からの借金は違法な貸付なので、自己破産の実施可否に関わらず法的な支払い義務が発生しないことになります。
ただし、そうはいっても闇金は激しく取り立てしてきますので、返済を拒み続けるのは厳しいでしょう。
ただし、闇金業者から逃げることだけは、絶対にやってはいけません。
なぜなら、あなたが姿をくらましたとしても、闇金はあらゆる手段を講じてあなたの居場所を突き止めるからです。
また、あなた自身から取り立てができないと判断した場合には、家族や親戚、友人、さらには会社などに返済を要求する可能性もあります。
さらに、最悪の場合、命が危険にさらされる可能性もあるでしょう。
したがって、闇金から借金をすることだけは絶対にやめましょう。
闇金からの借金を自己破産するのは、現実的には非常に困難といえます。前述したように、闇金は違法行為と認識したうえで、営業を行うような業者です。
つまり、闇金は自己破産の手続きに進んで協力するような相手ではないのです。
また、あなたが自己破産したことが闇金にバレると、自宅や会社に乗り込んで来たり、家族や親戚などに督促行為を行ったりするなど手が付けられない状態になる危険性もあります。
こうした理由から、残念ながら多くの司法書士・弁護士事務所が「闇金NG」を掲げているのが実情です。もし、引き受けてくれたとしても、司法書士・弁護士の言うことに一切耳を傾けない闇金との交渉は非常に難航することが予想されます。
前述したようなリスクがあると分かっていながらも、あえて闇金の借金を自己破産しようとする方もいます。
つまり、闇金が違法であるため借金の返済が不要ということを分かったうえで、自己破産して借り逃げしようとするケースです。
いわゆる、「借りパク」といわれる行為になります。
しかし、自己破産には「免責不許可事由」と呼ばれる、免責されない借金の原因が存在するため、債権者(この場合は闇金)に不利益が発生することが分かったうえで借りた借金は免責が認められません。
つまり、自己破産できたとしても、闇金からの借金を返済義する義務がそのまま残るため、ほとんど意味がないのです。
闇金からの借金は、自己破産以外の方法で解決するべきでしょう。
闇金からの督促行為がエスカレートしてきたら、すぐに警察に通報しましょう。
最も避けなくてはならないのが、闇金にあなたの自宅の住所や電話番号などが漏れることです。
早期に警察に介入してもらえれば、闇金からの督促行為がストップする可能性もあります。
しかしながら、警察には民事不介入の原則と呼ばれるルールがあるため、基本的に民間の争いごとには介入してくれないケースがほとんどです。
そのため、何らかの事件性がない場合には、警察が積極的に動いてくれることはないでしょう。
闇金からの借金に関するトラブルは、司法書士・弁護士に相談することで解決できる場合もあります。
先ほど、警察が闇金とのトラブルに積極的に介入しないと説明しました。
しかし、司法書士・弁護士から警察に捜査依頼を行った場合には、積極的に動いてもらえる可能性が高くなります。
なぜなら、法治国家である日本においては、法律の専門家である司法書士・弁護士から依頼されると、警察は動かざるを得ない状況になるからです。
また、司法書士・弁護士に自己破産の手続きをお願いした際には、闇金に対して「受任通知(自己破産の手続きに司法書士・弁護士が介入する旨が書かれた書類)」と呼ばれる書類が送付されるのですが、これを受け取った時点から闇金業者からの督促がストップする場合もあります。
さらに、被害にあった闇金の口座情報が分かった場合には、その口座を凍結してもらうこともできますので、闇金に大きなダメージを与えることもできるでしょう。
闇金とのトラブルに警察を介入させるためには、被害届や刑事告発を行う必要があります。
司法書士・弁護士と相談して闇金から受けた被害の状況や証拠を集め、警察に情報提供を行うことで、警察が事件として扱ってくれるようになるのです。
闇金側も逮捕される事態は回避したいと思うので、警察の介入はトラブル解消には有効な手段といえるでしょう。
ただし、たとえ警察が動いてくれたとしても、闇金からの取り立て行為が必ず終わるわけではないので注意が必要です。
闇金の取り立て行為がエスカレートしてくると手が付けられなくなります。
できるだけ早く司法書士・弁護士に相談して、適切な対策を講じるようにしましょう。